乙女は幕末に落っこちて。

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〆 櫻木が去り、全員解散したあと、おれは自分の部屋に山崎を呼び出した。天井裏から音もなく現れる山崎。毎度のことながら、見事だ。 「情報はあったか?」 「いえ、なにも。 しかもこの辺では見かけない顔ですしね」 「そうか……」 おれは、あいつの話を完全に信じたわけではなかった。確かに、あの「けいたいでんわ」という箱はすごかったが。 「近藤さんは甘すぎるんだよなぁ……。はぁ、山崎」 「はっ」 「あいつ…櫻木が、もしどっかの間者だと判明したら、すぐに斬り捨てろ」 「了解」 山崎は静かにうなずいた。
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