乙女はデブ猫に誘われて。

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「うぅん、ちょっと寒いなぁ…」 ちょっとどころか!! もうすぐ暦上春だと言うのに、まだ息を吐くと白い息が出てくる。 うちはその寒さにぶるりと身震いした。 「ん、何やあれ」 うちは目を細めた。 よく見えないが、木の上に何かがいる。 「みきちゃん、あれ何やと思う?」 目のよくないうちは、木の上の「何か」を指差して問うた。 みきちゃんは首をかしげてうなる。 「何やろ。 近づいて見てみたらいいんとちゃう?」 うちとみきちゃんは木に近づく。 それは、白くもふもふとした、デブ猫だった。 「メタボ猫や……」
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