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「ふっと!!
何食べたらこんななるんや……」
感心と呆れの混じった声音で、うちはつぶやいた。
しかし、そのデブ猫、様子がおかしい。
ぶるぶると震え、立ち上がって下を見てはまた座り込む。その繰り返しだ。
「降りられへんのかな……?」
「そう、みたいやな」
うちはしばらく考えこんで、木に手をかけた。
「ちょ、みもりん!?」
「あのデブ、助けたるわ」
「そんな、危ないて!やめとき!」
今思えば、そのときみきちゃんの言うとおりにやめれば良かったのだろう。
しかし、おかしな正義感に侵され、うちは行ってもーた。
ほんで、案の定、木ぃから落ちた。
「みもりんっ!!」
必死にうちを呼ぶみきちゃんの声が、だんだんと遠のいていった。
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