現 ウツツ

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「あの、神谷さんっ!」 掴んだ華奢な腕を軽く引っ張る。 神谷さんは、なに、と怪訝そうにこちらを振り返った。 「好きです。」 「……は?」 「だから、好きです。」 繰り返し告げる言葉に、神谷さんの眉間にしわが寄った。 「な、に言ってんの、冗談はやめ…」 「冗談なんかじゃないです。」 話の流れで、という行動ではない。 神谷さんからしたら、突拍子もないことを言われた、という感じだろう。 それでも、俺は。
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