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しばらくの間、僕と……
一人と一匹は目の前に浮かぶ海と月をただただ眺めた。
疲れたのか、景色に飽きたのか……
黒猫は地面に伏せ丸くなる。
「寝てるのかなぁ?」
顔を覗き込むと、一瞬目を開けまた閉じる。
「お前は何しにここへ来たんだ?
……なんて答えるわけないよなぁ」
黒猫はまた一瞬だけ目を開け、
『何言ってるんだこいつ』
という感じで僕を見詰め、すぐ目を閉じる。
僕は景色を眺め、寂しくなると黒猫に話し掛け、ソッポを向かれる。
そんな事を繰り返す内に、月が沈み海が青色を取り戻し始めていた。
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