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静代は後ろ髪を両手で束ね、ゆっくりと頭上に持ち上げる。
「脳み……そウォェツ……オエッ」
男は別れた理由を鮮明に思い出す。
「何故あなたはここに来たの?
別れた理由を知りたかったんじゃないの?」
四つん這いになって逃げる男ににじり寄る。
「あなたが過去なんて知りたがるからこんな事になるの……
なんで来たのよ!
あなたが来なければ、私はこんな姿には……」
涙を流しながら迫って来る。
「お、俺が過去に戻らなければこんな事にはならなかったって言うのかよ!」
四つん這いのまま、恐怖から必死に逃げながら問い返す。
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