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「ああ。何が人種差別を増長させたか。その根本を探らないと、この問題は無くならないと思う。……やはり、数百年に渡って慢心していたオレたち白人のせいなのだがな」
「まぁねぇ。数百年に渡って人々の心を繋ぎ止めていた真理は、そう簡単に無くならないもんね。本当に人間って面白いよね? 人間同士で優劣を付けるんだから」
端から見てて、本当に馬鹿みたいだと思う。肌が白いか黒いか黄色いか。一神教か多神教か偶像崇拝か。
それらだけで民族優劣を決めて、実際に奴隷にして、精神を穏やかにするなんて――。
――面白いなぁ、人間って。
だからこそ、愚かでもある。
「お前からしてみれば、面白く見えるんだろうがな」
「へっへー。ネアももっとゆとりを持たないとねぇ。肩肘ばかり張ってたら眉間に皺が寄っちゃうよ?」
「お前はゆとり過ぎだ」
嘆息。憐れみの視線が突き刺さる。
「食ったら寝て食ったら寝ての繰り返し。もっと他にやることは無いのか? そんなんだから最近体重増えたんだぞ」
――……!?
「何で知ってんの!? ネアが居ない場所で体重計に乗ったのに! も、もしかして覗き見たのッ? サイッテー! この人チョーあり得ないんですけどー!」
「五月蝿い。別に覗き見たわけじゃないぞ。ソーランドでホテルに泊まっていた時、従業員さんが何故か変な勘違いをしてな。オレにお前の体重を教えてくれたんだ」
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