Romance of the Three Kingdoms

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  『戦 争』  あれ何?         なんか……空が赤い……   嫌な予感が三人の頭をよぎった。 ……そこには……予想を遥かに超えた悲惨な状況が広がっていた。      なんだよこれ!! ある者は血の流れる腕を押さえて呻き、ある者は首から上の無くなった躯を大地に横たえていた。 オークと呼ばれる巨大な生き物は巨大な斧を振り回し、鎧を着た人間ごと叩き潰し……  バークナールが攻めて来たのね…… 武器を持たずに逃げ惑う老人や子供まで構わずに斬り捨てていたのである。 ダメーッ     お願い!! マールもライトを止めて!! それならどうしろってんだ!! このまま見てろってのか!! ライトの恐怖と絶望が少しずつ怒りへと変わり始める。 強く握られた拳は震え、目からは涙が流れ続けている…… 後には無惨に斬り捨てられた残骸と、夜の闇に赤々と炎を上げる……                     ……ねぇ……    これからどうするの……?    二度とあのような惨劇に     巻き込まない為にも、    ライトは力を欲していた。 戦に出るという事がどういう事か解っているのか?    わかっているつもりです 戦に出るという事は綺麗事だけでは済まん。 敵の兵にも家族はいるだろう。 恋人もいるかも知れん。 それでも斬らなくてはならんのだ    降りだした雨は勢いを増し、      甲冑を叩き続ける。    土と血の匂いが鼻をつく その赤く染まった甲冑を洗い流すかのように雨は降り続いているが、また血に染まるのは時間の…… 「おおぉぉぉ!!」          雄叫びを上げると、       その何人目かも解らない         相手のとどめを…… マールとメイもその近くで、返り血でずぶ濡れになりながら剣を振るっている。 この絶命した亜人と自分とでは、 いったい何が違うと言うのか         すでに何人倒したのか           すら解らない  「いつまでこんな戦いが続くんだ!!」 戦場にいる誰もが、いち早い終結を望んでいた。 それでも互いに斬り合わねばならない。 殺し合わねばならない。 それが戦であり、それが紛れもない現実であった。     それが…………『戦争』        そして……
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