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ある少年にはいつか騎士として仕え、国中に名を馳せたいと言う夢があった。
ある少年は家を継いで親を助けたいという思いが強かった。
ある少女は、明るい笑顔の裏に……深い哀しみを背負っていた。
「ライトー」
「マール! 遅いぞー!」
「最近、この森に魔物が出るらしいよ」
「魔物?」
しかし、それは魔物とはかけ離れた、むしろ妖精のような美しい少女であった。
差し込む木漏れ日の中、
その少女は一糸纏わぬ姿で、
色鮮やかな鳥達とともに
水浴びをしていた。
「あれが魔物なのかな?」
「どうかな……一瞬だったから顔は見られてないような気もするけど……」
「動物の耳か……でも可愛かったね!!」
少女はライトに近づくと右手を取り、 「ありがとう!!」とニッコリ笑った。
「あなた達。あんまり私を……
「メイ。僕にまかせて」
マールは剣を軽く受け流すと、
男の背中に剣の柄を叩き込んだ。
「もう良いわよ。どいて」
何事かとメイを振り返ると、
メイの右手に紅い炎の玉が見えた。
「まさか……これが魔法?」
その瞬間、
まるでドラゴンの咆哮のような
炎の柱が夜空に立ち上った。
「いい? 基本的に魔法っていうのはね、殆どが……
ライトは全く魔法のセンス無いわね……
「精霊魔法?」
すると、三人の周りに光の玉が現れ、
フワフワと浮かび泳ぎ出した……
始まりは小さな出来事から……
出会いは偶然から
『ライト』『マール』『メイ』
二人の少年と一人の少女は……
過酷な歴史の歯車に、その身を……
辻る事となる。
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