売られるキモチ

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「.....ニー?(しかし、猫磨きって具体的に何すればいいんだ?)」 〈ぬこ〉一年生の俺が猫磨きの仕方を知るはずもないのだ、 ........俺としたことが失念していた。 「ニー。(とりあえず、可愛いポーズでもしてみるか。)」 幸いにも俺らが入れられているショーケースは店頭にある。 何かアクションを起こすならこれほどいいところはないだろう。 おおよそ、猫の思想とは思えないが中身が人間なのだ仕方がない。 「ニャン!!!(まずは、招き猫だ!!!)」 俺は胸を張り、右手を天高く上げ、手首をコテッと下げた。 立派な招き猫だ。 浜田のおっちゃんの店も安泰だろう。 .........アリ??左手だっけ? どっちだったか分からなくなった俺は両手左右両方してみた。 練習の為、 まずは女子高生にやってみた。 「ニャン!(くらえ!!招き猫攻撃!!)」 Jk「.......何アレ?!ちょっと加奈、見てよ!子猫が何かポーズしてる?!」 Jk「うわっ?!ほんとだ!!へんなのーww 「..........(...........。)」 Jk「なんか、自分が可愛いの分かってやってます。みたいなw」 Jk「うわっ!!それってもろ佐藤じゃんwwwww」 Jk「それそれ、あいつマジうざいよねww」 「..........〈泣〉(............。)」 Jk「だよねー。この猫もカワイソー佐藤に似ちゃってwww。」 女子高生はそのあとも俺を忘れたかのように談笑し、去って行った。
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