第一章

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「美希さんは今日は来ないんですか?」 僕が顔を上げたのを見計らったのか、三角くんが僕に話しかけた。 「今日は弓道部に寄ってから来るらしいよ」 三角くんは爽やかな笑顔になり、そうですか、と言った。 三角くんはこの学校では少し有名人になっている。それは容姿のせい。街を少し歩けばモデルにスカウトされると噂になるほどの顔とスタイル。髪は赤に近い茶色で、毎日きっちりとセットされている。 そして有名になったもう一つの理由は……、無類の女好きであるということ。今まで泣かせてきた女の子の数は星の数にまけないとかなんとか。 呆れを通り越して尊敬すらしてしまいそうだ。
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