プロローグ

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彼の名前は柿本亮(かきもと りょう)。 見た目はあまりパッとしないものの、中身はかなりのハイスペック。テストは常に上位三位以内に入り、体育では細身の体に秘められた筋肉が躍動する。 そのくせ普段はかなりのんびり屋で、空などどこか遠くを見るような目で見ていることも多いという、不思議な人物だ。 「お邪魔虫なわけないじゃん。どうぞどうぞー」 西条は僕とは反対側の椅子に手をかけるが、柿本は手を横に振り、いいよ、とやんわり否定の意を表す。 「ここに座るよ。これだけ広いのにそんなに近くじゃ暑苦しいから」 そう言って柿本は二つ椅子を間に挟んだ場所に座った。
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