猫恋歌

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甘い言葉に一瞬、気が緩み 辺りを気にせず思考してしまった。 いとも簡単に隙をつくった僕は自分に驚き、また死を覚悟した。 しかし、僕の想いとは裏腹に 彼は僕が見たことの無いほど、 おだやかで優しい笑みを浮かべていた。 …なんだか、必死に逃げてガチガチに緊張した僕ってバカみたいじゃないか…。 このヒトと居たら、僕は過去を 棄てることができるだろうか。 恐れや哀しみ、寂しさから解放されるだろうか。 ―甘えたい― 僕が初めて抱いた感情。 この想いを素直に受け入れてみようか。
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