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「あぁ…契約が成立してしまったデス…」
「契約?」
落ち込みうなだれるニーナを見下ろし、悟はニーナに問う。
「デス…これで私と貴方はきっても切れない仲になってしまったデスよ…」
きっても切れない仲…
どういう意味だろう…と悟が、首を捻らせていると歪みの中から、黒のシルクハットとスーツを着た男爵髭の男が現れ二人の前に立ちはだかった。
「おっ!お前はだれだ!!」
歪みからでてきた謎の老人に身構える悟であったが、すぐにニーナに押さえられ、無理矢理隣に座らされた。
「ちょっ!何するニーナ!」
「いいから座るデス!この人に逆らったら殺されるデス!
だから、貴方は黙って座ってればよいのデスよ…」
ニーナは、とても悲しそうな顔で悟の隣に腰を下ろした。
「汝、ニーナよ…
そして、人間よ…
魔界法第34条に基づき、汝らを夫婦と認める!」
老人は、骸骨の杖を、自らが作り出した歪みから取り出し、掲げると二人の薬指が光だし、一組の指輪となった。
「ちょっ!?俺の同意なしでなにやってんだ!魔界法とか俺には全く関係ないじゃん!外せ!」
悟は、必死に指輪をはずそうとしたが、いっこうに抜ける気配がない…
それどころか、抜こうとするなり、身体中に痛みが走り、意識を失いそうになる。
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