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アーク家に一人の女の子が生まれた。
綺麗な黒い髪に、澄んだ紫の瞳、きめ細かい真っ白な肌。
その女の子を嬉しそうに見つめる、綺麗な金髪で青い瞳の男の子。
「わぁ…この子が僕の妹?かわいいなぁ…」
「そうよ、シオン。きっと心のまっすぐな綺麗な子になるわ」
銀髪で優しい紫の瞳の女性が娘を撫でながら優しく答えた。
「エリアによく似ているな…髪色は私似だが…」
優しい微笑みを浮かべて女の子を見つめる黒髪の男性。
「そうね。名前は何にする?アベル?」
女性は男性に声をかける。
「名前か、そうだな…イリスはどうだ?太古の女神の名前からとったんだが…」
男性が照れ臭そうに答える。
「イリス…虹の女神の名前ね。とても気に入ったわ。シオンはどう思う?」
金髪の子はニッコリ笑って答えた。
「すごく良い名前だよ!!イリスは僕が守ってあげるんだ!!」
「もうすっかりお兄ちゃんね。しっかり守ってね?」
「もちろん!!」
幸せそうに笑う家族。
こんな日々が続いたらどんなに幸せだっただろうか。
私の幸せだった記憶はここまでだ。
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