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【森の中のカフェにて】
「あーあ…残念。兄貴とビッチ共は一命を取り留めたそうですよ、スミス…」
私は深いため息をつきながら言った。残念でなりません。
目の前の暖かいカフェオレのカップを両手で包みながら隣に座るスミスを見る。
「ホントに残念です。奴らがとどまることを知らない下痢で脱水症状を起こして死ねばいい笑いのネタだったのに…そしたら少なくとも5年は笑顔に溢れた毎日を送れたのに…」
流石はスミス。考えていることがほぼ私と一緒です。
スミスはブラックコーヒーを飲みながら真っ黒な発言をしてますが、顔は至って平然としている。
「全くだわ。あのクソ野郎が死ねば…私は兄にかけられてる保険金を使って10年は遊んで暮らせたのに!!」
私はグイッとカフェオレを煽る。イライラするから酒飲もうかな。
「マスター!バーボンソーダ1つ!!」
「あ、僕は麦焼酎ロックで」
「…あいよ」
この人はいつも利用しているカフェ【アマデウス】のマスター、ヴォルフガングさん。
銀髪オールバック、グラサン、ダークスーツを身に包み、渋い声をだすおじ様です。
「ちょっと待ってください!!この子達未成年だから!!なんでカフェで酒がでて来るの!!しかもイリス様とスミス君は何ナチュラルに強い酒頼んでるんですか!?」
普通に酒を注文していると、クロがいきなりツッコミを入れてきた。
あぁ、そう言えばクロもいるんでしたね。
マスターは何言ってんのコイツ…という目でクロを見ていた。
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