プロローグ

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私が生まれた次の日、銀髪の女性が体調を崩した。 元々病弱だった彼女にとって、二人目の出産はとても耐えきれるものでは無かったのだ。 「エリア…」 「お母さん…」 黒髪の男性と金髪の男の子が銀髪の美しい女性の手を握り、泣いている。 「…あなた、シオン、今までありがとう…イリスをよろしくね…」 そう言って美しい女性は、安らかな顔で息を引き取った。 生まれたばかりの娘と、愛する夫と息子を残して。 私は母が死んだこの日から糞兄貴と変態親父に過保護に育てられた。 まだ赤ん坊だったのに、なぜか自我があったため恥ずかしい日々を送ったのは言うまでもない。
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