王女とイリス

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「クロ、梨元、今日も兄さんがいないので私が夕食を作りますね。何が良いですか?」 「そうですね~ハンバーグが食べたいですね~熱々のデミグラスソースがかかったやつを」 「僕は熱々のデミグラスソースが浴びたいな…!…じょ、冗談だよっイリス!!」 シオン君に会えないと落ち込んでいた所に現れたのは… 私のかつての親友で、今、私が最も憎んでいるイリスでした。 あれほどデタラメな噂を流して、数え切れないほど嫌がらせをしたのに、笑っている彼女をみて、私は拳をギリギリと握りしめていた。 「あっ、王女(笑)様おはようございます。今日もいい天気ですね」 最悪の敵がこちらに気づいた。 「お、おはようございます…確かにいい天気ですね」 私は顔が引きつるのを感じた。でも、この直後、さらに顔が引きつる事態が発生した。 イリスの使い魔らしき仮面を着けた男が、私の最も見られたくない物を見つけてしまったのだ。 「おっと、イリス様、こんな所に恥ずかしい紐パンを発見しました」 そ、それは…私の…!!! どうりでさっきからスースーすると思いましたよ!! 「…兄さんの顔がプリントされた紐パンですか…こんなの身に付けられる恥ずかしい人もいるんですね」 「プルリー…最悪のデザインだね…センスを疑うよ…」 イリスの顔は腐った生ゴミを見るような、嫌悪感丸出しの顔をしていた。 イリスの肩に乗っているスライムまで同じ表情をしている。 「うっわ…ないわ~…」 「何あれ!?シオン君に対する冒涜よ!!」 「不潔です…」 「あんなの履けるなんて余程の変態だよね…」 気付けば周りの生徒達が口々にパンツの悪評をしている。 バレたらマズイ…私は無理やり平静を装っていた。 「何ですかそのふしだらなパンツは…」 「えっ?王女(笑)様のやつじゃないんですか?あなたの足元に落ちてましたよ……」 「っ!?…そんな訳ないじゃないですか!!大体紐パンなんて私は履きませんよ!!今だってちゃんとパンツをはいてます!!」 嘘だ。私は今やノーパンです。でも、こう言えばまさかスカートを捲って確認なんてしないでしょうから。
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