携帯販売

11/18
前へ
/22ページ
次へ
「仕事中に彼女と電話ぁ??」 聞いたことを詫びるより、おちゃらけて話をした方が気を遣わせないかと思い、笑って風見くんに話かける。 「あぁ、まぁな。」 意外にも真顔で返事を返してくる風見くん。 「ラブラブじゃんっ♪」 そう返事をすると、 「そうでもねーよ。」 溜め息をつき、冷めた目をする風見くん。 「喧嘩?」 そう聞くと、 「いや、喧嘩はしてねーけど、なんか男の香りするしさ。」 そう答えてしゃがみこむ風見くん。 「ヤキモチ?」 棚の鍵を開け、在庫を取り出しながら聞くと、 「妬いてねーよ。  逆に、浮気してないよね?とかやたら聞いて来るようになってさ。  女ってマジ訳わかんねー。」 そう言って自分の頭を自分の膝と膝の間に乗せ、俯く風見くん。 「彼女のことは好きなんでしょ?」 そう聞くと、 「いゃ、もうなんか冷めてる(笑)  今は付き合ってるけど、良い女いれば乗り換えるんだけどなー。」 そう答えた風見くんに 「携帯じゃないんだから、乗り換えとかマヂ最低ー!  痛い目見るぞー?」 そう笑って返事を返す。 だな、と一緒に笑う風見くんを見て やっぱり友達の関係が一番良いな、と思っていた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加