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ミリシャ
「………逃げられた」
テーブルに突っ伏して頬を膨らませる相棒を見て苦笑いする。
あのあと、謎の青年を追跡しようとしたのだが森の木々が邪魔をしたせいで直ぐに巻かれてしまったのだった。
エレナ
「とりあえず、成果はあったんですし。謎の魔導具の青年も敵性の勢力では無いようですので取り逃がしてもお咎めは無いと思いますよ?」
本来なら神出鬼没の盗賊三人を捕まえただけでもお手柄なのだが可愛い相棒は納得出来ていないらしい。
ミリシャ
「………ちがうの、『とっておき』をつかってもつかまえられなかったことがくやしいの」
エレナ
「そんなにやっかいな相手だったのですか?」
ミリシャの実力は自分も良く知っている。
ミリシャ
「………やっかいというより、すばしっこい奴だった。
わたしの魔法も最初しか当たらなかったし」
エレナ
「そうですか………」
ミリシャの魔法を全て回避し、なおかつ自分の一撃を『軽い』と言う彼は何者なのだろうか?
エレナ
「王都に戻ったら捜索願いを出して見ましょう。あれほどの魔導具を使うのですから有名なギルドの方かも知れません」
ミリシャ
「………うん」
今後の方針を決めるとウェイトレスか声をかけて来た。
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