センパイ

11/13
前へ
/179ページ
次へ
俯いて、なるべくセンパイの顔を見ないようにする。 きっと、今の私の顔は真っ赤。 恥ずかしすぎる…。 「あ。照れた?」 嬉しそうに…楽しそうに笑うセンパイ。 さっきしたように、また私の頭を撫でてきた。 私は俯いたまま、ずっと無言。 「友達にちょっとからかわれてさ。」 「何を…ですか?」 ようやく口を開き、小さいながらも、言葉を発する。 照れ隠しに、いつものため口が敬語になる。 「後輩にずいぶんなつかれてる、って。」 …私、センパイのお友達さんに、そんな風に見られてるんだ? 嬉しいような、恥ずかしいような…。 くすぐったい気持ち。 「何かちょっと嬉しくてさ。」
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

153人が本棚に入れています
本棚に追加