-イノセント- 真実

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「それに、例え七海に嫌われたとしても、響の七海に対する愛情はこれっぽっちも変わらないと思うわ。 私が、何があっても七海を愛してやまないのと同じように」 「ノンちゃん……」 「私が愛した人は、そう言う人なの」 そう言って澱(よど)みない瞳を細めクスリと笑うノンちゃんに、あたしの胸はジリジリと痛む。 こんなにも響ちゃんと言う人柄を信じ、あたしにまで愛を与えてくれるノンちゃんを思うと、胸の痛みは治まりを見せない。 治まるはずもなかった。 何故なら、ノンちゃんを思うあまり痛む胸を抱えるあたしが、そのノンちゃんを裏切るように響ちゃんの元へと通っていた浅はかな行為に、自己嫌悪までが覆いかぶさってるんだから……。 こんなあたしの事なんかどうでもいい。 響ちゃんがあたしに向ける愛情があるんだとしたら、その僅かばかりでもノンちゃんに注ぎ込んで欲しい。 ノンちゃんへの愛情が、少しでも一華さんのものより上回るように……。 「ノンちゃん……ごめんね」 突然のあたしからの謝罪に、ノンちゃんは首を傾げキョトンとしている。 でもそれは直ぐに、響ちゃんに対してあたしがとった態度のことを指してると勘違いしたノンちゃんは、 「大丈夫よ、響は気にしてないわ」 柔らかい笑みをあたしに注ぐ。
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