- イノセント- 真誠

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意識を手放し俺に寄り添う女を、狂おしいほど愛してる。 それを誤魔化すことも、ましてや、もう愛してないなどと嘘をつく気もなかった。 例え、今は七海を傷つけ混乱させるだけだとしても……。 俺に対して七海の感情が揺れているのには気付いてた。 でもそれは、恋愛の類とは違う。 ただの憧れだ。 今でも覚えてる、初めてあった時の七海の俺を見る眼差し。 まるで大事な宝物を奪われたような、敵対心を奥に潜ませた瞳で俺を見ていた。 目に入れても痛くないほど七海を溺愛している望を、七海もまた絶対的な大切な存在と位置づけているのは直ぐに分かった。 そんなマイナスの感情から俺を気にするようになった七海が、ゼロからプラスへと俺への評価を上げれば、自分自身の感情に戸惑いを見せるのも無理はない。 だからと言って、そんなものは憧れに過ぎない。 そう諭したところで、恋愛経験が浅い七海に理解させるのは難しい。 若さゆえに、そんな事はないと撥(は)ねつけられるのがオチだろう。 自分の経験や感情が最優先。 物知り顔で大人に諭されるのを、一番嫌がる微妙な年頃だ。 なら、選ぶ手段はただ一つだった。
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