ー第1章ー 奇跡 

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そんな無口な親父が俺に何の用だろう?…無意識に冷や汗が出る。 恐る恐る携帯の受話の画面をタッチして耳に携帯を当てる。 「出るのが遅い!もっと早くでんか!」 最初の一声からもう怒ってるよ… 声の大きさで耳が痛くなったので少し耳から携帯を遠ざける。 「な…何でしょうか?」 すると少し和らいだ声で親父が話を続ける。 「重大な話があるのだ。早く帰ってこい。」 気のせいだろうか?… 親父の声がおかしい。きつい声が微弱だが優しく感じる。 何か嬉しいことでもあったのか? でも…いっか!親父が喜んでいるなら良いことがあったに違いない。 「でも俺…まだ最後の買い物が…」 「買い物などあとでできるだろう?いいから早くこい!」 やっぱりこえー…
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