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アイビスはメモを片手に商店街を歩き回る。商店街は人で賑わっていて陽気な物売りのおじさんの声やおばさんの声が妙に耳に残る。
「凄いな…」
思わず言ってしまう程に賑わう国は今日も平和だと確信する。マクシリア王国は数々の激戦を制した者が国王となり上がってできた国だ。
それまでの戦争の日々は無かったかのように平和だ。
だが、まだ世界の統一には至っていない。地球は広いーーーーそれゆえに統一なんて出来ないとの声もある。
今の世界は大きく3つに別けられる。1つは現在の国王『ルイス・カーター』様が統一しているマクシリア王国。
二つ目は『ルーティン・ランダー』がおさめるライン・ラント王国。
三つ目が『クロイル・テスターク』がおさめるルインズ王国。
3つの国は互いに世界を譲らないが、あのような激戦をまた繰り広げる訳もいかずに停戦状態となっている。
停戦状態に至るまでは酷い戦争の連鎖を止められないでいた。各国は魔法を駆使して戦争し、死人がたくさん出たのだ。
そんな中、急に停戦状態に至らねばならない理由ができたのだ。それはーーーー怪物の存在だった。
戦争が酷くなるたびに怪物は徐々に数を増していき、三国の戦争どころではなくなってしまった。怪物は強すぎた。
魔法があまり通じず、人はそんな危険な存在に恐れて絶望する。そんな中に現れたのだ。
怪物を1人残さず切りつくし、その勇敢な姿に人々は讃えた。まさに勇者そのものだった。
魔法のような人を超えた力を使い、怪物を圧倒した。だが、魔法ではないことは確かなのだ。それは仮定でも何でもない。確信である。
勇者が怪物を倒してくれたおかげで今は平和に暮らせてるというわけだ。
あらゆる店を外から見ては、中に入りーーーーの繰り返しで中々いいものが見つからないアイビスは苛立ちながらも順調に進めていく。
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