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「これ良かったら食べてください!」
そう笑顔で言ってきた女の人。
「ありがとう。」
そう言って俺は笑顔でお礼を言った。
本音を言えば憎たらしい笑顔。
胸くそ悪いその人に上部だけの社交辞令をした。
ふと、目が覚めたのは明け方だった。
フーッとため息を吐き、回りを見渡すと間接照明の明かりと窓からの薄い朝日の明かりが部屋を満たす。
目を閉じた瞼の裏に、さっき見た夢が繰り返すように映し出された。
不愉快な笑顔を再び見たくなくて、また目をこじ開けた。
ソファで寝ていた俺は、曲がった背筋を伸ばす。
身体中の関節が痛みと共に伸びていく。
「痛っ!!」
痛みに全身が固まり。伸ばすことを止めた体は力が抜け、また埋もれるように縮まった。
何気に取った携帯を手に取るとメールが一件。
「彼氏ができました」
その一言だけ…
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