恋しくて

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遊園地について、チケットを買う列に並びながら、やっぱり周りの目が気になって仕方ない私は、再びドキドキしている。 「チケット代、出すからね」 いくら何でも高校生にあまりお金を出させる訳にはいかないと思って私が翔也を見上げて言うと 「俺が出すから茜はお財布しまって」 「…いや、そういう訳にはいかないでしょ」 「今日のデートは全部俺が出すって決めてるの。 だから茜は毎日俺のお弁当作って来て」 …そ…そうか。 これもしっかりお弁当を作らせるための策略だったのか…。 完全に嵌められている自分がおかしくてクスクス笑った。 …まぁいいや。 今日はせっかくなんだし、楽しもう。 やっぱり女の子からの熱い視線を自然に集めてしまう翔也と並んでいるのは恥ずかしいけど… 遊園地に入ると、翔也はズンズンと私の手を引いて、乗り物の列に並んで行く。 …いきなり絶叫マシンですか? 「片っ端から攻めて行くからね」 ニマニマと笑う翔也がやっぱり鬼に見えて来た。 「私、体持つかな…?」 「大丈夫、俺がついてるから」 …また生意気な… そう思いながらも私は久々に味わうワクワクした気持ちでいっぱいだった。 …もう無理です…。 おばさんもう限界です…。 お許し下さい王子様…。 冗談抜きで片っ端から乗り物に乗せられて、絶叫しまくる私にお構いなしに、とどめはコーヒーカップでぐるぐると回され私は完全にグロッキー状態だった。 「茜大丈夫?」 ストローでアイスコーヒーをゴクゴク飲む私を言葉では心配しているように聞こえるが、完全に苛めて楽しんだ翔也がニマニマと笑っている。 「やっぱ若者は元気だね」 「茜もまだまだ若いでしょ」 「いや、もう体がついて行けないよ」 「その割には、乗り物ほぼ制覇出来たじゃん」 翔也と私はアハハと一緒に笑った。
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