夢と現実

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「蓮…私たち…終わりにしよう」 私にはもうそれしか出来ないって思ったんだ。 …蓮をこの苦しみから解放してあげるために私がしてあげられる方法は… …それしかない… 何も言わず黙ったまま私を見つめる蓮に、最後のキスをした。 「…愛してる…蓮…。 私の事を幸せにしてあげたいってずっと思ってくれてたって言葉だけで、私はもう十分幸せになれたから… あなたと出会った事、あなたを愛した事を私は絶対に後悔しない」 「茜…」 ぎゅっと私を抱きしめる蓮の手が小刻みに震えている。 「奥さんちゃんと守ってあげて」 私はニコリと笑ってから、そっと蓮の腕を外して立ち上がった。 サヨナラ…蓮………。  
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