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この会社に入社して、3か月。
あれから茂木さんは懲戒免職、斉藤くんは輸入雑貨の倉庫へと左遷された…。
2人も社員がいなくなってしまった事もあり、私と栗原さんは社員契約にしてもらった。
少し心が痛かったけど、相川課長が
「当然の報いよ。神崎さん気にしなくていいからね」
と笑って言っていた。
新しい派遣の人が2人増えたけど、あまり経理に詳しくなかったのもあって、結局私が毎日残業をしている。
でも毎日7時頃に翔也が集計のチェックにやって来る。
私はその時間がとても楽しみで幸せな時間だったりする。
今日も集計をチェックしながら
「やっぱ開発部、経費使いすぎだろ…」
と、しかめっ面をしてる翔也の横顔を見ながらクスクス笑っていると、突然翔也が言いだした。
「茜、今日はこれ終わったら親父と一緒に食事行くから」
突然言われた言葉に、私は一気に緊張して
「そんな…急に言われても…」
と、まごまごしていると、あの意地悪そうな目で翔也がニヤニヤしている。
「もう諦めな。茜は俺と結婚するんだからね」
「…む…無理!」
「…は?」
「…だって…まだ翔也19歳だし…学生だし…」
アセアセしながら言う私を見てクスクスと笑ったあと、翔也が言った。
「…茜は俺の奴隷でしょ?
いう事聞かないと、おしおきするよ?」
「…………」
あぁ…やっぱこいつはドSだ…
13歳も年下のくせに…
いつだって上から目線で…
だけど…
そんな翔也は、私の最後の希望だった…。
私の救世主かもって思ったあの時の気持ちは…間違ってなかったのかもしれない。
13歳も年下の私の王子様…。
…おばさん本当にあなたと出会えて良かったです…。
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