一 話

7/7
前へ
/74ページ
次へ
―魁― めんどくせぇ 魁「高2?」 空「はい」 黎「同じクラスになれたらいいね。」 空「同じクラスになると思います。おじさんがお願いすると思うので」 魁「おじさんって、優さんのことか?」 空「えぇ。優さんとは私の本当の親じゃないですから」 黎「そうなんだ。だから優さんにも敬語だったんだ」 魁「空さ、笑うことできんのか?」 空「え?」 魁「ちゃんと笑ったり泣いたりできんのか?」 空「さっきから笑ってますよ?」 魁「目が笑ってねぇ」 黎「そうだね。僕もそう感じる」 空「なんか勘に触ったならごめんなさい。あんまり慣れてないんですよ。」 黎「え?」 空「ふふ 何でもないです。」 魁「あと敬語やめねぇ?仮にも姉貴になるんだから」 空「そうで…そうだね。」 魁「今度、俺に敬語使ったら犯してやる」 俺の口癖は、"犯す"か"だりぃ"だ。 でも空は俺の言葉を聞いていて、わざと敬語を使った。 空「したいならしてみてください。」 魁「なっ」 黎「二人とも冗談はやめなよ。」 空「冗談じゃないのになー、三人でする?」 空はそう言うと厭らしく笑った。 その笑顔はなんとも色っぽくって俺等みたいな餓鬼には一ころだろう。 魁「変な女」 "兄弟"じゃなかったら、俺はどうしてたんだろう 黎「空は変わってるんだ。そろそろ母さん達、帰ってくるかな」 空「つまらない」 空の小さな呟きは宙に消えた。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加