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庵那は思う存分笑いまくった後、白になった床の中央に卵をセッティングした。
そしてトマトケチャップを手に取り、キャップを開け、裏手に持ち直す。
握った右手にゆっくり力を込めて、中身を搾り……床に赤のソレを垂らす。
「確か……Flame Storyの魔法陣はこんな感じだったはず……まあいいか、なるようになれば」
見よう見真似で、適当にアバウトに。
卵を中心として、赤い調味料で魔法陣を描き出していく。
円の中に五芒星。
自分すら何と書いたのかわからない謎の文字。
「我ながら完成度高いなこれは。どこからどう見ても完璧な魔法陣じゃないか」
今の状態で既に、庵那の心中は達成感に満ち溢れていた。
魔法陣をリハ無し一発書きでほぼイメージ通り、自分の納得のいくものが仕上がったのだから無理はない。
「おっと……最後の仕上げがまだだったな。これで満足してしまったらここまで頑張って魔法陣を描いた意味がない」
そこでふと自分の本来の目的を思い出した庵那は、魔法陣から一歩引いた位置に立ち、両手を前に、目を瞑り集中力を高める。
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