夜布庵那は飽き飽きしていた。

14/33
前へ
/33ページ
次へ
丁度そのタイミングだ。 「なんだ……?」 赤い光が、庵那の視界に飛び込んだ。 どうやらそれは彼の背後……魔法陣のある方から差し込んでいるようで、驚いた庵那は振り返る。 すると赤い光は、やはり魔法陣から発生しているらしい。 「な……あ……!?マジか、マジなのか……!?」 あんな適当な魔法陣で…… あんな適当な召喚呪文で…… 本当に成功したのか!? その思いのみが、現在の庵那を支配していた。 そんな庵那を後押しするかのように、赤い光はどんどん強く、部屋に広がっていく。 庵那は手で光を遮りながら魔法陣を凝視するが、やがてそれすら不可能なほど眩いものとなる。 ……そして。 「うわッ!?」 更に一段階強力なフラッシュが庵那を襲った。 今ので完全に目をやられた。まぶたを開くことすら出来ない……だが、暫くすれば自然と目も回復していく。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加