夜布庵那は飽き飽きしていた。

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そんな庵那の心境など知る由もなく、その人物は声に気が付き振り返った。 ……すると、その時丁度湯気が晴れてきて、その姿をはっきり確認することが出来た。 「……え?」 「……っ!」 目がばっちり合った。 そして庵那の衝撃はここへ来て頂点すら軽々限界突破した。 何故ならそこに居たのは庵那の最も望んだ美少女。 しかしそれ以上に、その美少女の格好……一糸纏わぬその姿に、言い得ぬ衝撃を受けた。 互いに目が合ったまま、衝撃的過ぎるシチュエーションに硬直していると、先に我に返った彼女が行動を起こす。 「きゃあああああああ!」 悲鳴。絶叫。 誰とも知らぬ異性に生まれたままの姿を見られたとあらば、当然の反応だ。 「えっ、ちょ……待って、違っ……!」 必死に言い訳をしてみるものの、どちらが悪いかは明確だし、庵那自身が一番それを理解していた。
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