夜布庵那は飽き飽きしていた。

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庵那は例外なくいつもと同時刻に帰宅する。 友達も居なく、現在一人暮らしの庵那はアパートに帰るととにかく暇を持て余す。 そこで三種の神器、漫画ゲームアニメの出番である。 ここで庵那は初めて考えることを放棄し、三種の神器に没頭する。この時間こそ夜布庵那にとって至福の一時。 しかも今回は先日取り寄せたばかりの新作、庵那は期待に胸を膨らませながら最新ゲーム機の電源を入れた。 暫く待つと、高画質高クオリティのオープニングムービーが一分強流れた後、タイトル画面が表示される。 「Flame Story……流石あれだけ騒がれていただけはある……オープニングだけでここまで期待感を持たせてくれるとは。これは大作の予感」 普段口数の少ない庵那でさえ絶賛しているところを見るに、相当出来のいいゲームなのだろう。 迷いなく力強く、庵那はスタートボタンをプッシュした。
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