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引き込まれる世界観。
魅力的な登場人物。
何より笑いアリ涙アリのシナリオ。
どれを取っても、このFlame Storyは庵那のプレイしたゲームの中でも断トツを誇っていた。
普段は一日一時間とキッチリ決めてプレイする庵那が時間を忘れ、食事すら取らずにやり込んでしまう程に、このゲームは庵那に衝撃を与えた。
……流石に目も疲れ睡魔に襲われ始めて、漸く時計に視線を向けた庵那は目を疑った。
「もう深夜三時……!?やばいな……とうとう僕は人間としてやばい域に達しちまったのか……」
そう、庵那がゲームをプレイし始めたのは帰宅後すぐ、則ち十六時。述べ十一時間ぶっ通しでゲームに熱中していた計算だ。
庵那が驚愕するのは無理も無かった。
だが、それ以上に立ち直りも早かった。自分がよりダメ人間に近付いたことなど、このゲームをプレイした衝撃と感動に比べれば瑣末なものと感じてしまったためである。
それはそれでダメ人間だな、等と自己分析を冷静に出来てしまう自分が余計に嫌になるというジレンマを彼は背負った。
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