昔日の探検日記

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「君一人?」 ボーネンが背中をつつく。 「あぁ。」 (関わるな。どっかいけ。) 基本的に、群れるのは嫌いだ。 気を遣うのが面倒臭い。 しかもこいつらは、俺とはまるっきり逆の楽観主義者。会話をするだけでも虫酸が走る。 と、そこに、気になる文字が目に入ってきた。 (レミュル……フェギ=レミュル……?) あるクエストの依頼主の名だった。 レミュル。 昔の有名冒険家の名前と同じだ。 その冒険家が遺した著書は、幼い頃の俺に衝撃と憧れを与え、今の俺を形作った。 とは言っても俺は、彼とは全く逆の、落ちぶれたその日暮し冒険者なのだが…。 .
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