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｢撤退ー！！｣
西側にも号令が下る。
全員が南西に向け走り出した。
俺達が全力で走る速さに比べ、灰色連中ははるかに遅い。
ある程度の距離が稼げれば、ﾌﾞｰﾆに無事に到着できる筈だ。
｢騎士団！殿(しんがり)をもて！最後の意地を見せるぞ！｣
追撃を少しでも遅らせる為、
負傷者の逃走をｻﾎﾟｰﾄする為、
騎士団長を中心に十数名のﾍﾞﾙｸが集まり、周りの兵よりも馬の速度を落としながら敵との距離を図っている。
｢団長！ﾌﾞｰﾆで待ってるぞ！｣
｢死ぬなよ！団長！｣
彼を追い抜いて走る戦士達から、次々に声をかけられる。
笑みを見せ、親指を立てた拳を突き上げて団長はそれに応えた。
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