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ブーニが見えてくる。
俺の後ろにはもう20人弱しか残っていない。
誰に頼まれた訳でもなかったが、負傷者達が気になり後方の護衛についていた。
いや、負傷者よりも団長が気になったというのが本音だ。
パーティーでもギルド仲間でも無いのに何故か親近感が沸き、同時に、強さと男気に憧れをも抱かせる存在。
その団長は、まだ追い付いて来ない。
(団長…もう十分だ。早く逃げて来い!)
俺は祈っていた。
(他人に死ぬなと言っておいて、自分が死んじまったら意味ねぇじゃねぇか!)
自分にはどうする事もできない事実が、より苛立ちを深めていく。
門の前に作られたバリケードに八つ当たりして、俺はブーニに入る。
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