89人が本棚に入れています
本棚に追加
涙が出た。
お袋が無事だった事もそうだが、団長達が生きていてホッとしたのもある。
「ありがとう。助かったわ。あなた、強くなったわね。」
そう言って俺を抱き締めるお袋。
「あら、あんた、ガフトの出身だったの?」
と、ルナが後ろで呟いていた。
殿を務めた騎士団メンバーは、3人程ぐにゃりと馬の背にもたれる者がいたものの、全員が生還する。
何はともあれ、良かった。
「出航の準備を急がなきゃいかんな。少し移動のペースを上げよう。いけるか、皆?」
その団長の言葉で我に返る。
余韻に浸っている暇なんかなかった。
お袋を早く安全な場所に届けなければ。
.
最初のコメントを投稿しよう!