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指で唇をなぞってみると、溜息が出る。
はあ……。自分がこんなに女々しいとは思わなかった。
僕の唇を奪ったあいつ。初めは憎いと思った。が、何故か気になる。
「会いたいな………。」
!!自分の口から零れた言葉に驚いた。
あの日以来、何故か同じ森に毎日足を運んでいた。
あいつにに会うことはなかったが、『またねっ』…って言ってた。
どうしてこんなに気になるのか。
あの日の時雨とかいう男の服装は白衣姿だったのでよく覚えている。
消毒薬の匂いもしていた。多分、お医者さん…だろうか?
病院を捜してみたい気もするが、元気なのに病院なんて行けないし…。
「あ゛ぁ~もぅっ!!」
空に叫んで、悠は布団に倒れ込んだ。
お日様のイイ香りがした。
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