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「これ、食べてみて。」
父の焼いたパンを渡すと、女の子は丸い目をぱちくりと瞬かせるとあっと云う間に平らげた。
「有難う。飛べない妖精さん。」
鳥が囀るように女の子は綺麗な声で笑った。
「?僕は妖精じゃないよ。」
女の子はふるふると首を振る。
僕を妖精と言うなんて不思議な子だなと思った。
彼女は、胸元に着けていた羽根のブローチを悠の胸に着けると、嬉しそうに空に舞い上がった。
背中には白い綺麗な翼。
女の子は、小鳥の妖精だったのだ。
囀りが有難うと歌っていた。
女の子を見送ると悠は一瞬体が浮いた様な気がした。
いや、気がしただけだろうか?下には…何もない。
…。お、落ちる!!!!!
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
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