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数十年後、結婚式がおこなわれていて、そこにお客として来ていた女性が新郎新婦について話していた。
「新郎と新婦の年って、すっごい離れてるよね。なんで結婚する気になったんだろうね」
「財産だったりしてー」
冗談を言い合う女性の横である女性が会話に入ってきた。
「多分……運命の人だったんじゃないかな?私は昔から新郎の事知ってるから言えるんだけど、あの新婦……昔死んだ新郎の元カノに雰囲気が似てるんだよ。顔とか性格は全然違うけどね」
新郎はある日を境に、何かを捜すように、毎日花屋を見て回っていたという。そこで出会った女性こそが、今の新婦なのだ。会話に区切りがついたと同時に、部屋が暗くなった。三人の女性は入場口に視線を投げた。
『それでは新婦の入場です』
扉が開かれて、真っ白なウエディングドレスを来た女性が入場してくる。向かう先は勿論新郎の横だ。結婚式が始まった。
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