70人が本棚に入れています
本棚に追加
目を開けると、見覚えの無い木目の天井が見えた。
部屋に射し込む日の光。外から聞こえてくる鳥のさえずり。私は、『助かった』と感じた。
身体を起こそうとすると、右肩に鋭い痛みが走った。
ああ、そうか。斬られたのを忘れていた。
目線を肩に移すと、少し気崩れた着流しの襟元から包帯が見えた。誰かが手当てしてくれたのか。それにしても……。
沖田は、部屋を見渡した。と同時に、ふと違和感を感じた。自分の部屋に似ているのに、どこか違う。
匂いや物の置き方とかが、別の部屋なのだと思わせた。まるで、私達新鮮組が長州と手を組む前の昔の新鮮組の屯所のように……
ここは一体、何処なんだ?
最初のコメントを投稿しよう!