第2話

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目を開けると、見覚えの無い木目の天井が見えた。 部屋に射し込む日の光。外から聞こえてくる鳥のさえずり。私は、『助かった』と感じた。 身体を起こそうとすると、右肩に鋭い痛みが走った。 ああ、そうか。斬られたのを忘れていた。 目線を肩に移すと、少し気崩れた着流しの襟元から包帯が見えた。誰かが手当てしてくれたのか。それにしても……。 沖田は、部屋を見渡した。と同時に、ふと違和感を感じた。自分の部屋に似ているのに、どこか違う。 匂いや物の置き方とかが、別の部屋なのだと思わせた。まるで、私達新鮮組が長州と手を組む前の昔の新鮮組の屯所のように…… ここは一体、何処なんだ?
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