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沖田が目覚める数時間前、新撰組副長である土方歳三は、沖田の手当てを終えた山崎の報告を受けていた。
「で、総司の様子は!?」
「刀による肩からの出血は、酷い物でしたが、今は止血を終え、容態も安定しています」
「そうか…ならいい」
山崎の報告に、土方は肩の力を抜いた。だけど、疑問がいくつか思い浮かんだ。
総司は、床にふせていた。時々、咳をしていて、動ける状態では無かった筈だ。なのに、門の所で倒れていて、肩に刀傷があるんだ?
分からねぇ……。
考えても分からない苛立ちに、土方は頭を掻きむしった。ふと、顔をあげると何か考え事をしている山崎が目に入った。いつもならば、すぐ立ち去るのに、一体どうしたっていうんだ?
「なんだ山崎、まだ何かあるのか?」
土方の問いかけに、何故か顔を紅くし、顔を反らした。
【え?ちょっと何これ?今の会話のどこに紅くさせる所あった?なんかもじもじしているよ。凄い恥ずかしそうだけど……】
「あの…副長。」
「なんだ、山崎」
山崎は、紅く染めた顔をこちらに向け土方に尋ねた。
「お…沖田さんって女の方何ですか///?」
「…………は?……」
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