プロローグ

2/12
前へ
/19ページ
次へ
京にある浪士集団。新撰組。 この屯所で、ある男が床についていた。 『っ!! ゴホッゴホッ』 その咳には、血が混ざっていた。 胸の痛みがおさまらず、何度も咳を繰り返す。 どうして…… 私なのでしょうか…死病と言われた病にかかるなんて。日に日に弱っていく身体。もう刀すら握ることも叶わない。 まだ、近藤さんのために何もしてないのに………。 隊を……新撰組を…離れるなんて これじゃ死んでも死にきれない。 もし、神という者が本当にいるのならお願いです。 私は、初めて貴方に願う。 病を治して下さい。そして、再び、近藤さんのために剣を………。 今まで人の命を奪ってきた私がいうのも虫が良すぎる。だけど、願わずにはいられなかった。 神様、お願いします。 治らなくてもいいから、いつまでも彼の側に………。 閉じた瞳から頬につたう雫。 その姿は、神までも虜にする。 だから神をこの男を………… 『願い聞き届けたり。 時が満ちるその日、一つの名を共有する者達の運命が交わる。 全ては、我次第。 さぁ、楽しませておくれ・・・ 二人の沖田総司よ。』 別の世界に飛ばした。 それが大罪であっても・・・・。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加