魔王

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僕は山から町に降りた。 滅茶苦茶になった町から服と帽子をそっと貰った、だって角が見えちゃうんだもん。 「ごめんね」 お父さんの代わりに謝った。ちょっとお腹が空いたから、その辺の木の実をもいで食べる。これで数ヶ月は大丈夫かな。 魔王の体は燃費がいい。なのにどうしてお父さんは他人の物を奪ったのかな? 僕は食料も財宝もいらないから友達が欲しい。 そうだ、旅に出よう。 それから僕は色々な町や村を渡り歩いた。 そして誰も寄り付かない暗黒の森で友達が一人、できたんだ。 「僕は魔王」 「私はガーゴイル」 僕の初めての友達、ガーゴイル君。本当は魔王っていうのを隠そうと思ったのに直ぐバレちゃった。後で理由を訪ねたらこう答えてくれたんだ。 「貴方から抑え切れない邪悪な気配が溢れ出ているからですよ」 そっか。だから町の人々は僕を避けて、子供は石を投げるんだね。 いつか勉強して、その邪悪な気配を消したいな。そしたら、人間の友達ができるかな?
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