§3

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「では、いきましょうか」 そう微笑んで、氷露は歩きだした。 教室の場所は知らないから、氷露についていく。 そのまま教室に入ろうとしたが、氷露は立ち止まった。 「…?」 「お先へどうぞ……」 ドアを開けていう氷露。 「……麗留様。」 俺は戸惑いながら、足を踏み入れた。 「…………」 教室は人で半分くらい埋まっているというのに。 重い空気。 誰も、何も話さない。 …まるで、全員がここにいる人達を品定めしているような……。 俺は思わず氷露の顔を見る。 「麗留様の御席はこちらです」 …でも氷露はその視線に気付かなかったのか、気付かないフリをしたのか。 俺を席へと案内してくれた。
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