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背中を冷たい汗が伝う。
「……麗留様」
ほとんど聞こえないような小さな声で氷露は俺の名前を呼んだ。
「…?」
きっと喋ったらダメなんだろう。
そう思った俺は視線を氷露の方に送った。
「……ここは、貴方にとって…」
――…戦場となるでしょう…
そう囁かれる。
“どういうこと?”と首を傾げると、氷露は小さく口を開いた。
「――――…それは…」
ちょうどその時。
静かにドアが開いた。
入って来たのは、ふわふわのミルクティー色の髪をした男の子。
身長はそこまで高くない。
くりっとした瞳が印象的な筈なのに。
…どうして、こんなにも威圧感があるんだろう?
隣の氷露を見ると、目を見開いて、その人を見ていた。
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