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「皆さん、席についてください」
どうやらその人は先生のようだ。
「全員、出席ですね。
私はこのクラスの担任の国崎と申します。」
クラス中を見回し、“これからよろしくお願いします”と一礼した。
「早速ですが、もうすぐ入学式が始まりますので、体育館に移動をお願いします」
それだけ言って、国崎先生は教室を後にした。
「麗留様、行きましょう」
氷露は俺を見て、微笑んでるけれど。
心ここにあらず、ってかんじ。
「……うん」
俺は頷いて立ち上がった。
そして廊下に出たのはいいものの、先生の姿はもう見えない。
「…氷露、どっちに行けばいいの?」
「こちらですよ」
「……先生も不親切だね…」
“も”と言ってしまったことに後になってから気付く。
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