一人目の転生者

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「…そう、ですね。そこにします。」 少し迷ったが、決定したようだ。 「じゃあ、君の希望するものは何かあるかい?」 次の質問に移る。 「えっと、地球の武器に関する知識ってもらえますか?近代的な…そうですね、銃器の知識はいらないんですが。近接武器の知識が欲しいんです。」 「可能だよ。」 経一の要求があっさり通る。 「あと、魔法も少し使いたいなー、なんて。」 遠慮がちに言う経一。 「いいよ。何属性がいい?」 こちらもあっさり通る。 「火がいいです。あ、転生って生まれるところからですか?」 「ん?今の年齢がいいならそのまま転生させるけど?」 「いえ、弟子入りしてでも鍛冶屋になりたいんで、赤子からにしてください。」 経一の返答が意外だったのか、驚いた表情の神。 「普通は赤ちゃんプレイは嫌だ、とか言いそうだけどね。」 「なんとしても鍛冶屋になりたいんです。多少の恥は平気です。あ、あと体が小さかったので体格の良い男になりたいです。」 経一の目は本気だと告げている。 「いいだろう。君の眼は本気のようだ。すべての条件を呑むよ。」 「ありがとうございます。最後に一つ質問いいですか?」 質問と聞いて訝しげな表情の神。 「なんで全身タイツなんで「さぁ、新しい人生の始まりだ!!」え、ちょっと!?」 経一の姿が徐々に透明に近づき消えてしまった。 「ふぅ、危ない危ない。」 額の汗を拭う。 「最高神様?」 「なんだい?」 今まで空気だったミカエルが神に問う。 「そんなに秘密にすることなんですか?」 意外そうに尋ねるミカエル。 「いや、趣味だ。」 「「……。」」 「そんな目で見ないで!!」 恥ずかしそうに顔を両手で覆う神。この数年後、再び転生者を出してしまい、ミカエルにボコボコにされるのは別の話。
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